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COLUMN
第3回 ボディビルトレーナーに思うこと
2002.02.03 Sun
最近、競技選手のパーソナルトレーナーにボディビルのトレーナーがついているのを見かけます。ボディビルの大会出場者を対象とした指導はもちろんボディビル出身の経験者がベストだと思いますが、競技選手となると話は変わってきます。
なぜ、わたしがこのコーナーでこの話をするのかというと、別に彼らの営業妨害をしようとかそういう次元ではなく、きちっと良い面 悪い面をこれを読んだ人達に分かって欲しいと考えているからです。
基本的に、我々ストレングスアンドコンディショニングコーチとボディビルトレーナーとはどこが違うかというと、彼らの専門は筋肉を大きくすること、そしてその筋肉にカットを出し、見せることなのです。筋肉を人に見せるのが競技なので、ある競技の向上の為にウエイトトレーニングを行ない、鍛えた筋肉をより機能的に働かせることが最大のテーマである我々ストレングスアンドコンディショニングコーチとは意味合いが全く違ってきます。デカい筋肉を作ることが我々の仕事ではないと私は考えています。
これを読んでいる方たちは、ただ単に筋肉が大きくなるのが今流行りの肉体改造ではなく、真の意味の肉体改造とは、その選手がケガをする可能性をできるだけ少なくすること、1シーズンを通 して良いコンディションでプレイできる身体のことを指す、ということを理解して下さい。
我々ストレングスコーチにとって、ウエイトトレーニングとはコンディショニングという広い意味の一つの手段にしか過ぎません。ウエイトトレーニング以外にストレッチ、きちんとしたウォーミングアップ、クールダウン、ストレッチング、アイシング、ランニング、スピードトレーニング、アジリティドリル、バランストレーニング、ケガの予防、リハビリ…とにかくいろいろなことを組み合わせてコンディショニングを作っていきます。
逆にボディビルはウエイトトレーニングがほぼメインであるため、多少無理をしてでも筋肉をつけようとします。従ってウェイトルームでケガをしてもしょうがない、という考え方です。これは他の競技に置き替えると、例えば野球の選手がグランドでケガをするのは仕方ないと考えているのと同じです。
しかし野球選手がウェイトトレーニングの場でケガをしたり、ケガの原因となる無理なトレーニングは絶対行なうべきではない、と考えます。当たり前ですがメインはあくまでも野球なのですから・・そのメインに何があっても支障が有ってはダメなのです!
今まで競技スポーツでボディビルジムでトレーニングをしたり、ボディビルトレーナーをつけて活躍した選手がいないのはそういう理由からなのです。よく見せかけの筋肉で使えない筋肉だと言いますが、有る意味その通 りなのです。トレーニングの延長線上に競技があるという考え方のストレングスコーチと、筋肉を見せることが競技のボディビルトレーナーでは、全く同じウエイトトレーニングをやっているように見えても全く別 ものですから。
わたしたちは鍛えた筋肉をいかに早く動かせるか?いかに効率よく使えるか?そういった事を念頭に起き、トレーニングを考えます。なので、筋肉を鍛えて大きくして絞ってカットを出して見せて終わりの人たちとは違うのです。
だいたい分かっていただけたかと思いますが、これがプロのストレングスコーチとボディビル・トレーナーの違いなのです。皆さんも注意して見てくださいね… 。
ではまた次回。
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